Flutterにおける「FadeInImage」ウィジェットを使用した画像のフェードイン効果について触れています。
1.概要
通常、Flutterのデフォルトの Imageウィジェット を使用して画像を表示すると、画像がロードされ次第、画面に「ポン」と表示されます。これは、視覚的に唐突で、ユーザ体験が少し不快になることがあります。
そこで、FadeInImage ウィジェットを使うと、まずプレースホルダ(仮の画像)を表示し、画像がロードされた後、フェードインで滑らかに画像を表示させることが可能です。これは、画像の読み込みが遅れる場面で、ユーザに視覚的なフィードバックを提供するだけでなく、見た目も洗練され、スムーズな動きを感じさせるために非常に有用です。
1-1.特徴
- FadeInImage は、様々な画像タイプ(メモリ内画像、ローカルアセット、インターネット画像)に対応しています。
- 画像がまだ読み込まれていない時は、プレースホルダ画像を表示し、実際の画像がロードされたら、フェードインでスムーズに表示を切り替える機能を提供します。
FadeInImage.assetNetwork(
//画像がロードされるまで表示するプレースホルダー
placeholder: 'assets/loading.gif',
//表示する本来の画像
image: 'https://example.com/image.jpg',
);
この様に、FadeInImage は、画像をロードする際のより洗練された視覚効果を提供し、ユーザ体験を向上させる為に使うことが推奨されています。
また、In-Memory(メモリ内の画像)やFrom asset bundle(ローカルアセットからの画像)も、この FadeInImage を使用してフェードイン効果を付けることができ、様々な場面での活用が可能です。
もし、アプリで画像の読み込み時間がかかる場合や、スムーズな見た目が必要な場面では、この FadeInImage を検討すると良いでしょう。
2.インメモリ
2-1.概要
ここでは、FadeInImage.memoryNetwork を使って、インターネット画像をフェードイン表示する際に、メモリ内の透明なプレースホルダを使用する方法について触れています。
具体的には、transparent_image パッケージを使って、透明なプレースホルダー画像を簡単に設定します。
2-2.In-Memory Placeholder の例
- transparent_image というパッケージは、透明な画像を提供し、それをプレースホルダーとして利用できます。
- この透明な画像は、通常、画像がロードされるまでの間に表示される仮の画像(プレースホルダ)として使われますが、透明なのでユーザには実際には見えません。
import 'package:transparent_image/transparent_image.dart';
FadeInImage.memoryNetwork(
//メモリ内の透明画像をプレースホルダーとして使用
placeholder: kTransparentImage,
//表示する実際の画像
image: 'https://picsum.photos/250?image=9',
)
上記では、
・ kTransparentImage は、transparent_image パッケージから提供される透明な画像データです。
このデータを利用して、画像がロードされるまでのプレースホルダーとして使用します。
・ FadeInImage.memoryNetwork により、インターネット画像のロード後、フェードインアニメーションで表示されます。
これにより、画像の表示が遅れてもユーザーに違和感を与えず、スムーズな表示体験を提供できます。
FadeInImage.memoryNetwork は、リモート画像を読み込む際にフェードイン効果を追加するシンプルな方法で、特にユーザーに自然な視覚効果を提供する為に使われます。また、透明なプレースホルダーは、目に見えるプレースホルダーが不要な場合に便利です。
2-1.完全な例
ここでは、Flutterアプリでフェードイン効果を持つ画像表示を実装するための完全なサンプルを示しています。
ここでは、画像が読み込まれるまでの間、プレースホルダー(透明画像)を表示し、画像の読み込みが完了するとフェードインで表示する構成です。
//FlutterのUIコンポーネントを使用するためのライブラリ
import 'package:flutter/material.dart';
//transparent_image パッケージ:
//透明なプレースホルダー画像を提供するために使用されています。これにより、
//画像が表示される前に視覚的なジャークを防ぎ、スムーズな表示が実現されます。
import 'package:transparent_image/transparent_image.dart';
void main() {
runApp(const MyApp());
}
class MyApp extends StatelessWidget {
const MyApp({super.key});
@override
Widget build(BuildContext context) {
const title = 'Fade in images';
return MaterialApp(
title: title,
//アプリケーションの土台となる構成
home: Scaffold(
appBar: AppBar(
//アプリバーにタイトルを表示
title: const Text(title),
),
//Stack ウィジェット :
//複数の子ウィジェットを重ねて表示する為に使われています。
//ここでは、読み込み中に表示されるプログレスインジケータと、
//フェードインで表示される画像が重ねて配置されています。
body: Stack(
children: <Widget>[
//中心にインジケータを表示(画像ロード中に表示)
//画像のロード中に表示されるインジケーター(読み込みの進捗を示す)。
//Center ウィジェットの中で配置されており、
//画像の真ん中に円形のインジケーターが表示されます。
const Center(child: CircularProgressIndicator()),
Center(
//フェードイン効果を持つ画像ウィジェットです。
//placeholder 属性で透明な画像(kTransparentImage)を指定し、
//画像の読み込みが完了するとその画像がフェードインで表示されます。
child: FadeInImage.memoryNetwork(
//透明な画像をプレースホルダーとして使用
placeholder: kTransparentImage,
//インターネットから画像を取得
image: 'https://picsum.photos/250?image=9',
),
),
],
),
),
);
}
}
3.アセットのバンドルから
ここでは、ローカルのアセット(例:アプリ内画像やGIF)を、画像読込時のプレースホルダに使用する方法に触れています。
3-1.概要
(1)ローカルアセットの追加
まず、アセットをプロジェクトの pubspec.yaml に追加します。pubspec.yaml ファイルでアセットを指定すると、ビルド時にアプリと一緒にバンドルされます。
(ここでは、assets/loading.gif というGIFファイルがプレースホルダーとして使用されています。)
flutter:
assets:
- assets/loading.gif
(2)FadeInImage.assetNetwork() の使用
次に、FadeInImage.assetNetwork() コンストラクタを使用して、ローカルアセットをプレースホルダーとして表示しつつ、ネットワーク上の画像がフェードインで読み込まれるように設定します。
(ここでは、assets/loading.gif 表示後、https://picsum.photos/250?image=9 の画像をフェードインで表示しています。)
FadeInImage.assetNetwork(
//ローカルアセットのGIFをプレースホルダーとして使用
placeholder: 'assets/loading.gif',
//インターネット上の画像をフェードインで表示
image: 'https://picsum.photos/250?image=9',
);
(3)ポイント
- FadeInImage.assetNetwork()
このコンストラクタは、ローカルのアセット(この場合はGIFファイル)をプレースホルダーとして使用し、ネットワーク上の画像が読み込まれるまでの間に表示されるコンポーネントです。画像の読み込みが完了すると、ネットワーク画像がフェードインして表示されます。 - プレースホルダーの役割
ネットワーク画像のロードに時間がかかることがあり、すぐに表示できないこともあります。その場合に、ユーザーに空白や突然の表示のような「ぎこちなさ」を感じさせないために、プレースホルダーを使用します。 - ローカルアセットの利点
ローカルのアセットは、ネットワークに依存せずに迅速に読み込むことができるため、画像やGIFをプレースホルダーとして使用することで、スムーズで遅延の少ないユーザー体験を提供できます。
上記により、これによって、ネットワークの遅延を感じさせず、滑らかに画像を表示することが可能です。