6-1. Dartの標準ライブラリ
Dartには豊富な標準ライブラリが用意されており、これらを使用することで、基本的な機能から高度な機能まで簡単に利用することができます。標準ライブラリには、コレクション、ファイルI/O、HTTPリクエスト、JSON操作などが含まれます。
6-1-1. 標準ライブラリのインポート
標準ライブラリを使用するには、import
キーワードを使ってライブラリをインポートします。
import 'dart:math'; // 数学関数や定数を提供
import 'dart:convert'; // JSON操作
import 'dart:io'; // ファイルI/O
import 'dart:async'; // 非同期プログラミング
6-1-2. 標準ライブラリの使用例
例1: dart:math
ライブラリを使った数学計算
import 'dart:math';
void main() {
double radians = pi / 4; // piはdart:mathに定義されている定数
double sinValue = sin(radians); // sin関数を使用
print('The sine of 45 degrees is $sinValue');
}
例2: dart:convert
ライブラリを使ったJSON操作
import 'dart:convert';
void main() {
String jsonString = '{"name": "Alice", "age": 30}';
Map<String, dynamic> user = jsonDecode(jsonString); // JSON文字列をMapに変換
print('Name: ${user['name']}');
print('Age: ${user['age']}');
String encodedJson = jsonEncode(user); // MapをJSON文字列に変換
print('Encoded JSON: $encodedJson');
}
例3: dart:io
ライブラリを使ったファイル操作
import 'dart:io';
void main() async {
String filePath = 'example.txt';
// ファイルに書き込み
await File(filePath).writeAsString('Hello, Dart!');
// ファイルから読み込み
String contents = await File(filePath).readAsString();
print('File contents: $contents');
}
6-2. 外部パッケージの利用(pub.devの使い方)
外部パッケージを利用することで、さらに多くの機能やライブラリをプロジェクトに追加することができます。Dartのパッケージマネージャであるpub
を使用して、これらのパッケージを管理します。
6-2-1. pub.devとは
pub.devは、DartとFlutterのパッケージを検索、インストール、管理するための公式パッケージリポジトリです。多くの開発者が自作のパッケージを公開しており、必要な機能を簡単にプロジェクトに追加できます。
6-2-2. パッケージの検索とインストール
(1) pub.devでパッケージを検索
pub.devにアクセスし、検索バーにキーワードを入力してパッケージを検索します。
(2) pubspec.yaml
ファイルにパッケージを追加
プロジェクトのルートディレクトリにあるpubspec.yaml
ファイルを開き、dependencies
セクションにパッケージを追加します。
dependencies:
http: ^0.13.3
(3) パッケージのインストール
コマンドラインでプロジェクトのルートディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行してパッケージをインストールします。
flutter pub get
6-2-3. 外部パッケージの使用例
例1: http
パッケージを使ったHTTPリクエスト
(1) pubspec.yaml
ファイルにhttp
パッケージを追加
dependencies:
http: ^0.13.3
(2) http
パッケージを使用してHTTPリクエストを実行
import 'package:http/http.dart' as http;
import 'dart:convert';
void main() async {
var url = Uri.parse('https://jsonplaceholder.typicode.com/posts/1');
var response = await http.get(url);
if (response.statusCode == 200) {
var data = jsonDecode(response.body);
print('Title: ${data['title']}');
} else {
print('Request failed with status: ${response.statusCode}');
}
}
6-3. pubspec.yamlファイルの基本構成
pubspec.yaml
ファイルは、プロジェクトのメタデータや依存関係を管理するためのファイルです。以下は基本的な構成の例です。
name: my_project
description: A new Flutter project.
version: 1.0.0+1
environment:
sdk: ">=2.12.0 <3.0.0"
dependencies:
flutter:
sdk: flutter
http: ^0.13.3
dev_dependencies:
flutter_test:
sdk: flutter
flutter:
uses-material-design: true
↓次回内容:
7-1. Flutterプロジェクトの作成
Flutterは、Googleが開発したモバイルアプリケーションフレームワークで、iOSやAndroid向けの美しいネイティブアプリケーションを構築することができます。
7-1-1. Flutterのインストール
Flutterをインストールしていない場合は、以下の手順に従ってインストールしてください。
(1) Flutter公式サイトからFlutter SDKをダウンロードします:Flutterダウンロードページ
ピンバック: 5-2.DartのStreamとイベントハンドリング - flutter.com