3-1.Dartの関数の定義と呼び出し

1. 関数とは

関数は、一連の処理をひとまとめにし、必要なときにその処理を実行するためのコードのブロックです。関数を使用することで、コードの再利用性を高め、プログラムを整理しやすくすることができます。

2. 関数の定義

Dartで関数を定義するには、returnType functionName(parameters)という構文を使用します。関数は以下のように定義します。

基本的な関数の定義

Dart
void greet() {
  print('Hello, Dart!');
}

この関数は、void型の戻り値を持ち、引数を取らず、’Hello, Dart!’というメッセージをコンソールに表示します。

引数を持つ関数の定義

引数を持つ関数を定義することもできます。引数は、関数が呼び出されたときに渡される値です。

Dart
void greet(String name) {
  print('Hello, $name!');
}

この関数は、String型の引数nameを取り、その名前を含むメッセージを表示します。

戻り値を持つ関数の定義

関数は、計算や処理の結果を呼び出し元に返すことができます。その場合、関数の戻り値の型を指定し、returnキーワードを使用して値を返します。

Dart
int add(int a, int b) {
  return a + b;
}

この関数は、二つの整数を引数として受け取り、その合計を返します。

3. 関数の呼び出し

定義された関数は、名前を呼び出すことで実行できます。関数を呼び出す際には、関数名とともに必要な引数を指定します。

引数なしの関数の呼び出し

Dart
void main() {
  greet(); // Hello, Dart!
}

引数を持つ関数の呼び出し

Dart
void main() {
  greet('Alice'); // Hello, Alice!
}

戻り値を持つ関数の呼び出し

Dart
void main() {
  int sum = add(3, 5);
  print('Sum: $sum'); // Sum: 8
}

4. デフォルト引数と名前付き引数

Dartでは、関数にデフォルト引数を設定したり、名前付き引数を使用することができます。

デフォルト引数

引数にデフォルト値を設定することで、引数が省略された場合の値を指定できます。

Dart
void greet([String name = 'Guest']) {
  print('Hello, $name!');
}

void main() {
  greet(); // Hello, Guest!
  greet('Bob'); // Hello, Bob!
}

名前付き引数

名前付き引数を使用すると、関数呼び出し時に引数の順序に関係なく、特定の引数に値を渡すことができます。

Dart
void describe({String name = 'Unknown', int age = 0}) {
  print('Name: $name, Age: $age');
}

void main() {
  describe(name: 'Alice', age: 30); // Name: Alice, Age: 30
  describe(age: 25, name: 'Bob'); // Name: Bob, Age: 25
  describe(); // Name: Unknown, Age: 0
}

5. 例題

例題1: 基本的な関数の定義と呼び出し

Dart
void greet() {
  print('Hello, Dart!');
}

void main() {
  greet(); // Hello, Dart!
}

例題2: 引数を持つ関数の定義と呼び出し

Dart
void greet(String name) {
  print('Hello, $name!');
}

void main() {
  greet('Alice'); // Hello, Alice!
  greet('Bob'); // Hello, Bob!
}

例題3: 戻り値を持つ関数の定義と呼び出し

Dart
int multiply(int a, int b) {
  return a * b;
}

void main() {
  int result = multiply(4, 5);
  print('Result: $result'); // Result: 20
}

例題4: デフォルト引数と名前付き引数

Dart
void printInfo({String name = 'Unknown', int age = 0}) {
  print('Name: $name, Age: $age');
}

void main() {
  printInfo(name: 'Alice', age: 30); // Name: Alice, Age: 30
  printInfo(age: 25, name: 'Bob'); // Name: Bob, Age: 25
  printInfo(); // Name: Unknown, Age: 0
}

↓次回内容:

3-2.Dartのパラメータと戻り値

1. パラメータとは
パラメータは、関数に値を渡すための変数です。関数の呼び出し元から関数にデータを渡すために使用されます。Dartでは、位置パラメータ、名前付きパラメータ、デフォルトパラメータを使用することができます。
位置パラメータ
位置パラメータは、関数を呼び出すときに引数を順番に指定するパラメータです。

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