1. 関数とは
関数は、一連の処理をひとまとめにし、必要なときにその処理を実行するためのコードのブロックです。関数を使用することで、コードの再利用性を高め、プログラムを整理しやすくすることができます。
2. 関数の定義
Dartで関数を定義するには、returnType functionName(parameters)
という構文を使用します。関数は以下のように定義します。
基本的な関数の定義
Dart
void greet() {
print('Hello, Dart!');
}
この関数は、void
型の戻り値を持ち、引数を取らず、’Hello, Dart!’というメッセージをコンソールに表示します。
引数を持つ関数の定義
引数を持つ関数を定義することもできます。引数は、関数が呼び出されたときに渡される値です。
Dart
void greet(String name) {
print('Hello, $name!');
}
この関数は、String
型の引数name
を取り、その名前を含むメッセージを表示します。
戻り値を持つ関数の定義
関数は、計算や処理の結果を呼び出し元に返すことができます。その場合、関数の戻り値の型を指定し、return
キーワードを使用して値を返します。
Dart
int add(int a, int b) {
return a + b;
}
この関数は、二つの整数を引数として受け取り、その合計を返します。
3. 関数の呼び出し
定義された関数は、名前を呼び出すことで実行できます。関数を呼び出す際には、関数名とともに必要な引数を指定します。
引数なしの関数の呼び出し
Dart
void main() {
greet(); // Hello, Dart!
}
引数を持つ関数の呼び出し
Dart
void main() {
greet('Alice'); // Hello, Alice!
}
戻り値を持つ関数の呼び出し
Dart
void main() {
int sum = add(3, 5);
print('Sum: $sum'); // Sum: 8
}
4. デフォルト引数と名前付き引数
Dartでは、関数にデフォルト引数を設定したり、名前付き引数を使用することができます。
デフォルト引数
引数にデフォルト値を設定することで、引数が省略された場合の値を指定できます。
Dart
void greet([String name = 'Guest']) {
print('Hello, $name!');
}
void main() {
greet(); // Hello, Guest!
greet('Bob'); // Hello, Bob!
}
名前付き引数
名前付き引数を使用すると、関数呼び出し時に引数の順序に関係なく、特定の引数に値を渡すことができます。
Dart
void describe({String name = 'Unknown', int age = 0}) {
print('Name: $name, Age: $age');
}
void main() {
describe(name: 'Alice', age: 30); // Name: Alice, Age: 30
describe(age: 25, name: 'Bob'); // Name: Bob, Age: 25
describe(); // Name: Unknown, Age: 0
}
5. 例題
例題1: 基本的な関数の定義と呼び出し
Dart
void greet() {
print('Hello, Dart!');
}
void main() {
greet(); // Hello, Dart!
}
例題2: 引数を持つ関数の定義と呼び出し
Dart
void greet(String name) {
print('Hello, $name!');
}
void main() {
greet('Alice'); // Hello, Alice!
greet('Bob'); // Hello, Bob!
}
例題3: 戻り値を持つ関数の定義と呼び出し
Dart
int multiply(int a, int b) {
return a * b;
}
void main() {
int result = multiply(4, 5);
print('Result: $result'); // Result: 20
}
例題4: デフォルト引数と名前付き引数
Dart
void printInfo({String name = 'Unknown', int age = 0}) {
print('Name: $name, Age: $age');
}
void main() {
printInfo(name: 'Alice', age: 30); // Name: Alice, Age: 30
printInfo(age: 25, name: 'Bob'); // Name: Bob, Age: 25
printInfo(); // Name: Unknown, Age: 0
}
↓次回内容:
1. パラメータとは
パラメータは、関数に値を渡すための変数です。関数の呼び出し元から関数にデータを渡すために使用されます。Dartでは、位置パラメータ、名前付きパラメータ、デフォルトパラメータを使用することができます。
位置パラメータ
位置パラメータは、関数を呼び出すときに引数を順番に指定するパラメータです。